まず、木の駅プロジェクトとは...
・山の所有者が、山に残っている間伐材を木の駅へ出荷
・間伐材の量に従い地域通貨券へ交換
・出荷材は買い取り業者からチップ工場、バイオマス燃料、木質ボイラーなどに使用する
この間伐材の利用促進を図る仕組みのことで、2009年岐阜県恵那市で始まり、現在全国40ヶ所にて行われています。
木の駅では、上記の取り組みのほか、間伐材を使った体験イベントなどから林業への関心をあげることも目的のひとつです。
受付:地元の方から、遠くは千葉県まで、合計41名にお越しいただきました!
名札作成:受付を済ませたら、間伐材から作った名札に名前記入します。
開会の挨拶の後、近くの森林に入って、間伐材の伐倒作業を見学します。
木を倒す方向の見定め、安全確認、追い口の作成、伐倒と木の駅実行委員長の解説つきで進みます。
伐倒の詳しい内容は、チェーンソー安全講習会のブログでもご紹介しています。
http://kawanehon-chiikiok.seesaa.net/article/440129592.html チェーンソー安全講習会
倒れた木の切り株を見てみます。白いところ(辺材)と赤いところ(心材)がありますね。
辺材で根からの水を吸い上げ、心材は活動を停止して眠っている状態です。これは木が最小限の活動で済ます工夫で、1年で年輪を一つずつ増やして大きくなり、これによって何十年も生きていくことができます。
木工芸品の教室の様子。間伐材からの材をボンドで貼り付けたり、
ドリルで穴を開け、釘を打って組み立てていきます。
およそ1時間ほどで、巣箱、貯金箱、道具箱ができました~
手作りの曲げわっぱ。井川メンパと呼ばれ静岡県指定の郷土工芸品です。昔は職人さんが大勢いたそうですが、今では2軒だけになってしまいました。
こちらも手作りの茶箱。お茶を保存するためだけでなく、お米や湿気に弱いものは何でも保存することができます。こちらも作っている場所が静岡県内で5軒だけです。写真は着なくなった着物などから作ったかわいいインテリア茶箱。
こういった工芸品はずっと受け継いでいかなければなりません。今度、工芸品の特集ブログもやってみますね!
■日本の林業について、少し勉強したことをまとめます!
川根本町に限らず日本の山には、昭和30年ころに政府の政策で植林されたスギやヒノキがたくさんあります。この時代は戦後の復興のために木材の需要が急増、値段高騰していた時代です。
例えばこんな木たちです。この木たちは植林後50~60年で収穫期を迎えます。まさに今ですね。
ところが現在では、木材の輸入自由化に伴い、日本の木の価格が低下、林業衰退、山村の人口減少となり、放置された木たちがたくさんいます。
地球環境的には、二酸化炭素の吸収量が減るので、木は切らない方がよいという認識になりがちですが、実は違います!!
天然林を計画無く乱獲するのは非常にマズイですが、木材生産のために植林された人工林は、管理する必要があるのです。
■管理が必要な理由
1haあたりの植林数は、一般的に3000本(1.8m間隔)くらいと言われています。結構密ですね~、
最初から間隔を空けて植林すると...木は延びたい方向に自由に伸びてしまい、幹がまっすく育ちません。
つまり、品質のよい材木ができません。
したがって、最初は密に植林して、
植林後10年程度したら定期的に生長の悪い木を間伐していき、最終的には500本くらいまで間伐を行うのが理想と言われています。
ここで間伐の手入れを行わないと...全ての木がひたすら伸びますね。
そうすると、
・森が混み合い、幹が細い木ばかり育つ
・林床が暗くなり、下草が生えなくなる
・雨水が流れやすくなる
↓・林床が暗くなり、下草が生えなくなる
・雨水が流れやすくなる
・地下水を蓄える能力減少
・土壌の質が低下
・二酸化炭素吸収能力が減少
↓・土壌の質が低下
・二酸化炭素吸収能力が減少
・最終的には...地球温暖化、土砂災害、洪水につながる
と悪いことばかりです。
そこで、FSCやPEFCの認証制度を作って森林を管理していきましょう!という方針になってきましたが、まだまだ広く認知されていないように思います。
植林当時の方針が違っていたので仕方ありませんが、木材生産しないのであれば、元の自然の状態に戻すべきでした。木材生産のために植林したからには、今ある木たちを管理、活用する責任があると思います。
そして将来、木材生産のための植林をどれだけ行うか、それ以外はできるだけ元の自然の状態に戻すという方針を定めていかなければなりません。
ただ、これは個人レベルではどうしようもない問題なので、ワタシは地域おこし協力隊として、間伐材の利活用を考えていき、少しでも地域と地球環境に貢献できるようにガンバって行きます!!
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