接阻峡は寸又峡とならんで川根本町内で住居がある最奥の地区で、茶畑が広がる20世帯程度の小さな集落です。標高が500mほどの峡谷の底に位置するため、役場(225m)のある上長尾地区と比べて、3~5℃も低くて夏でも涼しいことが多いです。
Googlemapsを見ると、接岨湖の北側、大井川の穿入蛇行が激しい地域に位置しています。
接岨峡は大変急峻な場所にあり、道路が崩落や落石による通行困難箇所が多発、大井川鉄道も2016年8月時点では接岨峡温泉駅から先が休止中になっているため、アクセスが非常に難しくなっています。井川線は2016年11月に復旧見込とのことですので、開通したら行ってみましょう。
赤い丸の範囲を拡大すると、こんな感じです。3Dで表示してみると急峻な谷底の少し開けた場所に集落が位置していることがわかります。今日は接岨峡温泉駅からスタートして、八橋小道の散策路、資料館やまびこへ行ってきました。
接阻峡温泉駅へは、千頭駅から大井川鉄道井川線に乗っていきます。距離はわずか15km程度で、クルマなら20分程度ですが、井川線では70分もかかります。自転車程度の時間をかけて進む、過ごし方も良いですね。詳しくは…井川線のブログにてまたお伝えしますね。
接岨峡温泉駅から八橋小道(やっぱしこみち)へ進みます。大井川を眺めながら大小8つの吊橋を渡る散策路は、ゆっくり行っても1時間程度ですので、ちょっとした散策にぴったりです。
駅から県道に出て、南へ進んでいくと大きな吊橋が見えます。南アルプス接岨大吊橋です。橋長240m、高さ30mなので、大井川にかかる吊橋では大きな部類になりますが、造りが丈夫なので、ほとんど揺れずに渡ることができます。
■八橋小道はヤマビルの生息地です。夏でも長ズボン、トレッキングシューズで。散策路は整備されていて、危険なところはありませんが、短い靴下やサンダルはやめたほうが無難です。
南アルプス接岨大吊橋を渡り、左手に進むと欅橋、栃の木橋、桜橋、水楢橋、椿橋、桑の木橋、宮沢橋、犬返り橋といった8つの吊橋を渡っていきます。
橋には木の名前がついていますが、これはその名前の木が橋の近くに生えていることから名付けられているそうです。
この宮沢橋(みやんざわばし)と隣の犬返り橋は吊橋自体が階段になっています。宮沢橋は階段状吊橋としては日本一の長さで、非常に珍しい橋です。
宮沢橋を対岸から撮ってみると、こんなところを歩いていました。「おお!?なかなかすごいところに!」と思いましたが、作りがしっかりして橋の幅も広く、ほとんど揺れないので、全く怖くありませんです。
畑薙大吊橋やウソッコ小屋周辺の吊橋を渡ったあとでは物足りないですね~(※下URL参照)
http://kawanehon-chiikiok.seesaa.net/article/440864146.html 南アルプス 茶臼岳-上河内岳(途中まで)
8つの橋を渡り切ると河内地蔵堂が見えてきます。このお地蔵さんは、昔、静岡へ抜ける街道沿いに、旅の無事を祈って小さな地蔵を祀っていたところ、通りがかりの川狩り人夫が「粗末な地蔵」と壊してしまい、その後川狩りの最中に命を落としてしまいました。
地蔵は村人達に新ためて祀られ、現在はこの地に安置されているという逸話があるお地蔵さんです。
接岨峡温泉駅の入口まで戻ってきました。ここで、左手の大きな建物「川根本町資料館やまびこ」に入ってみます。奥大井の自然環境、歴史、文化を多くの展示物を元に詳しく紹介しています。
入館料:大人200円、子供100円
開館時間:9:00~16:30
休館日:毎週火曜日、年末年始
(※2016年現在)
1階は歴史、文化のゾーン。1480年から行われている伝統行事の梅津神楽、狩猟のし掛け、安倍金山などのご紹介です。
昭和初期にダムが建設されるまで、山奥から切り出した木材は、大井川の流れによって下流まで流送していました。その頃の流送の方法や道具についても詳しく紹介しています。
流送は、切り出した木材からイカダを作って流す筏流しが主流で、2人組でイカダに乗り1日かけて下流まで流し、1日かけて歩いて帰ってくる行程です。木材を1本ずつ流すバラ流しという方法もあり、こちらのほうが更に難しい作業であったそうです。
2階は動植物の展示がたくさんです。昆虫類、魚類、シダ類、キノコ類、被子・裸子植物類など全部で16,900もの標本があります。
南アルプス光岳周辺の貴重な自然環境に関する展示もあります。こちらもワタシなりに勉強して、別途ブログでお伝えしたいと思います。
■見かけた花たち
タカサゴユリ ユリ科 南東北以南から台湾に植生。 台湾原産で大正時代に観賞用として広まる。 テッポウユリとよく似ていて、園芸交雑種が多い。葉が細く、花に薄い紫の筋が入るのが特徴 高さ100~150cm |
シュウカイドウ シュウカイドウ科 中国原産で江戸時代に園芸種として広まる。 林床などの湿り気のある場所に植生 高さ70cm程度 |
残暑厳しい頃ですので、花は少ないですが、春や紅葉時期はとても美しい光景を見ることができると思いますので、また行ってみましょう。
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