寸又峡は大井川の支流、寸又川の峡谷で、その峡谷内のわずかな土地に温泉、宿泊施設、飲食店等が立ち並んでいます。1656年(明暦2年)に起きた江戸の大火からの復興のために、幕府が寸又峡の奥、千頭山から木材を江戸へ搬出したのが最初と言われ、ダム建設や林業により発展してきました。
寸又峡をGoogleMapsで見ると、丸で囲った接阻峡のエリアよりも川が細くて険しそうな感じがしますね。
寸又峡へ向かうには、断崖絶壁の上を1車線のつづら折りが続く道路を進みます。紀伊半島の国道425号、四国の国道439号(ヨサク)、九州の国道265号などの名だたる酷道(笑)にも匹敵する道路状況ですので、走行には十分注意が必要です。GW、紅葉シーズンは交互通行による渋滞が発生するので、時間に余裕をもってお越しください。
赤い丸の箇所を拡大すると、こんな感じです。今回、寸又峡の3大ウォーキングコース「寸又峡プロムナード」「グリーンシャワーロード」「外森山ハイキングコース」を歩いてきました。どのコースも60~90分程度で、奥大井の自然を満喫することができます。
地形図で表示するとこちら。無料駐車場は地図上のPマークの箇所にあります。ゲートに一番近い無料駐車場は18台しか止めることができないので、ご注意ください。
※GW、紅葉シーズンなどの繁忙期は全面有料駐車場となります。
■寸又峡プロムナード 1周4.0km(約1.5時間)
夢の吊橋へ向かう寸又峡プロムナードは、川根本町で一番人気の「夢の吊橋」へ続く散策路です。
この散策路は、昭和初期のダム建設や木材運搬のために敷設された千頭森林鉄道の廃線跡を散策路として整備したもので、昭和43年まで機関車が走っていたところです。散策路は完全舗装ですが、距離が長いので歩きやすい靴をオススメいたします。
千頭森林鉄道については、他にも廃線跡がありますので、また次回巡ってみようと思います。
昭和26年開通の天子トンネル。このトンネルの山が天子と言われていることから命名。冬になると天子の鬼の風と呼ばれる冷たい風が吹き、これに触れると無病息災が叶えられると言われています。
天子トンネルを抜けると、間もなく大間ダムが見えてきます。大間ダムは、竣工1936年(昭和11年)の重力式コントロールダム。水力発電用で管理は中部電力。土木学会の「日本の近代土木遺産~現存する重要な土木構造物2000選 」に選定されています。
夢の吊橋へは、この写真に見える約300段の絶壁階段を下っていきます。下るということは、帰りはもちろん同じだけ登る必要がありますので、足腰に不安がある方はご注意ください。
ダムカードはこちら、南アルプス山岳図書館にて、大間ダムの写真提示でいただくことができます。
長い階段を下って、ようやく夢の吊橋に到着しました! 大間ダムの湖に長さ90m、高さ8mの吊橋です。
2012年にトリップアドバイザーから「死ぬまでに1度は渡りたい世界の徒歩吊橋10選」に選ばれました!!
10選の国を見ると、スイス、北アイルランド、カナダ、メキシコ、アメリカ、中国、オーストラリア、南アフリカ、日本のそうそうたる顔ぶれの吊橋です。日本からは祖谷の「かずら橋」と川根本町の「夢の吊橋」の2つが選ばれました。
かずら橋はさらに山奥にある「奥祖谷二重かずら橋」の方が個人的には良いですが、どれもスゴそうなものばかりで、この中に川根本町を入れていただき、誇らしいことですね!
https://www.tripadvisor.jp/TripNews-a_ctr.SuspensionBridges
トリップアドバイザー「死ぬまでに1度は渡りたい世界の徒歩吊橋10選」
何がアピールポイントかというと、
①日々刻刻と変わる水の色
ターコイズブルー、コバルトブルー、エメラルドグリーン...ワタシの写真はこんな色でしたが、ネットで見るともっとスゴイ色の時もあるようですね。これは、チンダル現象によるもので、この湖はチンダル湖と呼ばれています。大雨が降ってしまうと濁ってしまい、色が戻るまでに1週間ほどかかることがあるそうですので、お越しの際のタイミングは非常に重要です。
※チンダル現象とは...
太陽の光は、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の7色(虹色)ですが、水に入ると青以外の色は水に吸収されてしまいます。青だけが生き残り、水中の浮遊物で散乱や反射することによって、青く見える言われています。
海が青く見えることや牛乳が白く見えることがチンダル現象によるものです。
この大間ダムの水の場合、浮遊物やプランクトンが少なく非常にキレイな水であること、その時の太陽光の入る角度や天候、浮遊物の量によって、さまざまな色をするでしょうね。
チンダル現象は、高校の化学でやったのを名前だけうっすら覚えていましたが、今、勉強してようやく少し理解できました...
②紅葉シーズンの絶景
これは言うまでもない絶景でしょうね。紅葉は11月中旬頃が最盛期で、そのころの週末は寸又峡に向かう道路渋滞が1時間以上、夢の吊橋は1度に10人程度しか渡れないため、橋の前後は大行列必死のディズニーランド状態となっているようです。
③恋愛成就のパワースポット☆彡
静岡県エンゼルパワースポットランキングなど各方面に、クチコミ、SNSにより拡散されて、この日もたくさんの女性がいらっしゃっいましたよ~
夢の吊橋を渡ると、待っているのが300段の登り階段。ガンバるしかないです。
300段の階段を登り、右手に進むと尾崎坂展望台があり、ここには千頭森林鉄道が展示しています。
飛龍橋を渡った先に、夢の吊橋が眼下に見えるポイント!
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■■■ お知らせ ■■■(★2016年12月6日~2017年3月7日)
「夢の吊橋」下のエメラルドグリーンの水が抜水されています!
大間ダムの修繕工事のため、ダム湖の水が抜水中です。
エメラルドグリーンの水はありませんが、夢の吊り橋の本当の姿を見ることができます。
抜水は数年に一度のことです。実は非常に貴重な景色ですので、この間にもぜひお越しください!
夢の吊り橋上から大間ダム側
※2016年12月14日追記
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■グリーンシャワーロード 2km(約40分)
寸又峡プロムナードからゲートまで戻って、グリーンシャワーロードへ進みます。
こちらは、アップダウンもほとんどないので、ノンビリ森林浴を楽しみながら歩くことができます。
写真のような根っこを持った変わった木やイロハモミジをはじめとする落葉広葉樹がたくさんですので、紅葉シーズンはとても良さそうですね。
こちらにも猿波橋という吊橋がありますので、行ってみます。
水の色以外、見た目は夢の吊橋と同じですが、お客さんがワタシ以外、誰もいません...
結局、グリーンシャワーロードで誰にも会いませんでした。
こちらの野山はヤマビルの生息地です。夏でも長ズボン、トレッキングシューズで。散策路は整備されていて、危険なところはありませんが、短い靴下やサンダルはやめたほうが無難です。
夢の吊橋だけでなく、こういったところをもっと整備・PRして多くの人に歩いてもらえるようになればなと思っています。
■外森山ハイキングコース 800m (約1時間)
3つ目は外森山ハイキングコースです。ここには寸又峡のもう一つのパワースポットである、外森山神社・落ちない大石があり、合格祈願の絵馬がたくさん掛けられています。
外森山神社の参道を登っていくと、巨大な石が微妙なところで落ちずに止まっています。
光岳からの天狗がこの石に上ったことにより、何百年も落ちずに止まっているという伝説があるそうで、絵馬には県外からの参拝者もたくさんいました。
■寸又峡 町営露天風呂 良いお湯ができています~♪
たくさん歩いた後は、町営露天風呂へ行ってみましょう。PH=8.9の硫化水素系・単純硫黄泉はつるつる、しっとりするのが特徴で、「美女づくりの湯」として知られています。
料金:400円
営業時間:9時30分~18時
定休日:毎週木曜日
■南アルプス山岳図書館
寸又峡の入口にある図書館で、山岳関連の図書閲覧のほか、観光案内所兼、ダムカード配布もしていますので、お気軽に立ち寄ってくださいね。
開館時間:10時~16時
定休日:火・水曜(繁忙期除く)
山岳関連のほか、動植物の本、ガイドブック等がたくさんあります。
10~11月の紅葉シーズンにはワタシもボランティアスタッフで入るかもです、よろしくお願いします!!
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