2016/10/10~12 南アルプス聖岳

南アルプスの聖岳へ登ってきました。
静岡県出身かつ山好きと言いながら、南アルプスは8月の茶臼岳途中までを除くと初めてです...
ホントに山好きなのかって感じですが~(^_^;)
9~10月上旬までずっと天気が悪く、この頃ならどうだ?と予想して休みをとっていたのが、
ハマって好天に恵まれ、標高2000m付近からの紅葉も楽しめました。

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「大井川を学ぼう」のブログでお知らせしたように、沼平のゲートより先は一般車両通行禁止です。
ゲートより先は、二軒小屋or椹島のロッジに宿泊する方であれば、特種東海フォレストのバスで送迎していただけますので、今回は椹島ロッジ1泊で聖岳へ行ってみることにしました。

荷物はテント泊用フル装備からテントを除いたもの。今回は避難小屋利用でテントは持っていきません。
以前作成したこちらのブログに荷物の内容を載せています↓↓↓
http://muishizen2.seesaa.net/article/426961213.html 登山装備(テント泊縦走編)

沼平ゲートの駐車場にバス出発1時間以上前に到着。
いつでも行けるぞと準備万端で待っていると...いきなりハプニング発生!
手を上げていたのに、バスが目の前を素通り(・・;)
実は、バスは沼平ゲートより2km手前の駐車場が発着なのだが、ゲート前ではピックアップしないのであった...

時間は15時、椹島まで15kmの林道、4時間かかっても19時頃に着けるだろーと切り替えて歩いていたら、
赤石小屋の管理人の方が「椹島ロッジで1泊するなら乗っけってくよ~」と声をかけて下さいました。
南アルプスについてもいろいろ教えていただき、大変ありがとうございました!

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1時間ほどで椹島ロッジへ到着。椹島は大正から昭和初期にかけて林業の中心基地だったところです。
現在はロッジのほか、テント場、電力・治水関係の宿舎や南アルプス白籏史朗写真館もあります。

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前の地図の点線部分を拡大した内容がこちら。
南アルプスの南部は、稜線までどのルートを通っても6~7時間かかる山ばかりなので、心してかからないとです。
聖岳の場合、このルートが一般的であるが、聖平小屋まで7.2km、聖平小屋から山頂まで2.6km。
合計9.8kmである。

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翌朝のバスで聖岳登山口へ。6時30分スタート

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序盤1km程度はスギやヒノキの植林地帯を進みます。

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植林地帯(左)と天然林地帯(右)の境がはっきりわかるところ。

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聖沢吊橋まで来ました。結構揺れます~ここまで約1時間30分。

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聖沢吊橋を渡るとしばらく急登が待っています。
ここから先の樹木たちを見てると、非常におもしろくて、
・自然に倒れた木が別の木にもたれかかって同化
・どうしてこうなったか良く分からない形や変な方向を向いている
・大きな岩の上でも関係なく根を張る
この急登の途中ではオコジョも見つけましたよ~
急な登りは疲れますが、こういったところを見ながら登っていると多少なりとも疲れが紛れますね。

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急登のあとは、沢を渡ったり、ザレ場を進んだりして、標高2100mを越えたあたりで滝見台に到着します。
ナナカマドの紅葉と四段の滝、聖岳が見える絶景ポイントです。ここまで登山口から5時間。

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中央左側が前聖岳(3013m)、右側が奥聖岳(2978m)。まだまだ先は長い...

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その後、30分ほど進むと遭難碑とともに、もう一つの絶景ポイントに到着します。
落ちたら確実にアウトな200mほどの断崖と紅葉。動画も撮りましたのでこちら↓をどうぞ。


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この先は、急な登りはないが、聖沢小屋までまだまだ長い。
聖沢沿いの樹林帯を進みます。縞枯現象もありました。
※縞枯現象とは、樹木がまとまって枯れる現象のことで...
・標高2300~2500m前後の南斜面に見られる
・シラビソ、オオシラビソのみに発生
・詳しい原因はわかっていない(風、土壌、雨氷など)
・八ヶ岳、奥日光などで見られる

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6時間30分かけて、ようやく聖平小屋(標高2260m)へ到着しました!
夏営業は終了していますので、こちらは入ることができません。

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隣りにある冬季用の避難小屋に入ります。
小屋に入って、軽くお昼ごはんを食べたら、夜一度トイレに起きた以外、すっかり眠っていました。

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翌朝4時起床、小屋の周辺はガスの中。
山頂方面、突き抜けてないかな~という希望を胸に6時出発。
希望どおりに標高2400m付近からガスが抜けてきて、山頂が見えてきました!

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標高2500mになるとダケカンバとハイマツ地帯。北海道の旭岳では標高1500mに相当します。

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小聖岳(2662m)まで来ると、森林限界を超え、聖岳全体が見えてきました。

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手と足をあげて~♪

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山頂まであとちょっとー

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聖平小屋から2時間50分ほどで山頂到着しました!
山頂からは、富士山を始め南・中央・北アルプスの山々のほとんどが見え、絶景を堪能してきました。

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真ん中にお隣の赤石岳、左奥に仙丈ヶ岳、右奥に鳳凰三山。

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富士山はやはりキレイですね~

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中央アルプス、遠くに北アルプス、穂高~白馬岳方面までぜ~んぶ見えますね。
山頂から360度の動画もぜひ↓↓↓


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奥聖岳方面に進んでみると、ウラシマツツジの紅葉がきれいでした。
ここは、前聖岳と奥聖岳の間、高山植物がたくさん咲きそうな、ハイマツに囲まれたくぼ地です。
植生だけ見れば、大雪山周辺の1600m付近なので、1400mの差があることになります。
まだ雪も降ってないので、大雪山の方が気象環境が厳しいことがわかりますね。

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この写真は、奥聖岳(2978m)からの写真ですが、下に川みたいな赤石ダムの湖が見えています。

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で、こちらがその赤石ダムから撮った写真。左上の一番高いのが奥聖岳
こういった景色を見ると、良くあんなところに登ってきたものだといつも思うのです。

一人で登っていると
「あんなに高いのムリだよ~、さて、どこで引き返そうか」
と後ろ向きの考えをすることが何度もあります(笑)
でも、気づくと「なんだ、山頂まであと少しじゃん」という状況で、
結局、山頂まで行けています。
テント泊の山登りを初めて5年間で登れなかったのは、ヒザ痛により断念した前回の茶臼岳だけ。
そして、帰ってしばらくすると、キツイの知ってて、また行きたくなる。
この感覚は何なんでしょう。

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1.5時間ほど山頂付近で堪能して避難小屋に戻り、午後は小屋周辺の植物を見ながらお散歩。
この辺りは、30年前くらい前まではニッコウキスゲの花畑となっていたそうですが、シカの食害等によりほとんどなくなってしまったそうです。

まもなく雪が降ってくる頃ですが、まだ花が咲いていましたので、ご紹介します。
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■ノコンギク:標高1500m以下の登山道沿い、東俣林道沿いにもたくさん

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■コスギゴケ:標高2400m以下の登山道周辺、樹林帯の中

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■ヤマハハコ:標高2400m以下の登山道周辺

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■リンドウ:標高2400mの登山道脇

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■タカネマツムシソウ:標高2400mの登山道脇

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■ミヤマキンバイ:標高2400mの登山道脇

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■イワツメクサ:小聖岳の上部の岩場

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■コケモモ(実):小聖岳の上部の岩場、前聖岳~奥聖岳間のくぼ地

●北海道の山と比較すると、以下のような違いに気づきました
・気候や植生から見た標高差(1000~1500m以上)がある
・南アルプスは基本的に沢の水が飲み放題
 北海道では要煮沸かつ、9月に枯れてしまうところも多々なので、これは非常に大きい。
・見かけた動物は、種は違うが、頻度的にはあまり変わらない気がした
 今回はシカ、シマリス、オコジョなどを発見
・樹木、コケは南アルプスの方が多くの種類・量がある
・高山植物は30%程度は同じものが咲いているらしい
・森林限界の範囲は北海道の方が遥かに広大
もっと詳しく調べてみたいですが、難しそうな話です~

今回は聖岳~赤石岳縦走コースへ行ってみたかったのですが、ヒザの調子がまだ良くなく、縦走は難しいと判断して聖岳往復コースにしました。
南アルプスにはその他にも、荒川岳、塩見岳、間ノ岳、北岳…次々とボス級の山々が控えています。ヒザの不安を無くしてまた登りに行きますね。

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