川根茶を学ぼう(つちや農園さんへご訪問)

川根本町の産業で忘れてはならないのがお茶です。
川根茶は、17世紀初頭から生産が始まり、大井川によって生まれる朝霧、綺麗な水、空気、土、昼夜の大きな寒暖差によって育てられた茶葉が特徴で、多くのお茶屋さんが、さまざまな品評会で何度も受賞しています。

今回は、尾呂久保(おろくぼ)という地区の「つちや農園」さんに伺いまして、お茶のことについて勉強させていただきました。
P3035984.JPG
尾呂久保は、この写真に見える標高約600mのところにある集落。こんな急斜面の地でお茶を栽培しています。
標高600mにもなると、冬は雪が積もることもありますが、多少の雪は問題なく、むしろ寒暖差が大きいので、より美味しいお茶ができるそうです。

P2285960.JPG
全国茶品評会優勝 農林水産大臣賞など数々の賞を受賞されている「つちや農園」さん。
まさに「天空の茶園」ですね。

P2285947.JPG
手入れが行き届いたお茶畑をご案内していただきました。
つちや農園さんで生産している品種は、"やぶきた"が70%、残りが、"さやまかおり"、"おくひかり"、"はるみどり"、在来種で構成されています。
農薬を最小限にし、有機質肥料を中心とした自然に優しいお茶づくりをされています。

P2285948.JPG
こちらは、"はるみどり"。植栽して1年たったところで、3年目くらいから収穫が可能です。

静岡のお茶で有名なのが、世界農業遺産にも登録された「茶草場農法」です。
P2285945.JPG
「茶草場農法」とは…
半自然草地や森林内に生えているススキやササなどの枯れ草を茶畑に敷き詰めて堆肥にする農法

・土壌の保湿、保温
・微生物の繁殖により土壌の質を向上
・茶畑内の雑草抑制

というメリットがあります。
落ち葉は分解が早いため、ススキやササなどの枯れ草がちょうどよいそうです。

これに加えて、もう一つ茶草場農法の大きな特徴は、
「茶草場の生態系を作っている」ということです。
茶草場と言われる半自然草地は、何もしなければ成長力が強いススキやササだらけになってしまいます。

ススキやササを狩ることによって地面まで光が届くようになるため、そこで生育できる植物(ハルリンドウ、ササユリ、カワラナデシコなど)が花を咲かせたり、昆虫(カケガワフキバッタ:掛川市の粟ヶ岳中腹の茶草場のみに生息)も生息できるようになります。

茶園周辺の生物多様性も保全されていることが世界的にも珍しいため、世界農業遺産に指定されました。
人間が意識せず自然にこのような環境になったということが、すごいことだと思いました。

P2285951.JPG
シカの食害にあったお茶の葉。頭を伸ばして食べることができる範囲だけ見事になくなっています。
シカの食害は近年、急激に増えたそうです。

イノシシの被害もあり、
イノシシはお茶の葉は食べませんが、茶畑を掘っての土の中にいるミミズを食べています。
穴を掘ることにより、お茶の木の根っこが露出することが問題となっています。

シカは300万頭を超える生息数と推定(2013年)され、この30年で約10倍、10年で100万頭のペースで増えています。
農作物の被害だけでなく、木の新芽、皮、落ち葉まで食べてしまい、環境問題にも発展しています。
奈良公園のシカが国の天然記念物に指定され、保護の対象である一方、各地のシカは畑や森を荒らす害獣として、全国で被害が深刻化しています。どちらも同じシカだと思うけど、どうすれば良いのでしょうね...

P2285957.JPG
つちや農園さんでは、茶縁喫茶も行っていまして、お茶と茶菓子をいただいてきました。
色は薄く、トロッとしていてお茶本来の甘味が強いのが川根茶の特徴ですが、ペットボトルのお茶ばかり飲んできた私には、正直、お茶の味をお伝えすることが難しいです~
1煎目と2煎目では味が全く異なったり、これが本当のお茶なんだと思わせる味です。

P2285959.JPG
お茶菓子も手作りでして、こちらは「ゆずのこはく糖」。ゆずを練り込んだゼリーを砂糖で固めたお菓子はお茶うけにピッタリです。

茶縁喫茶は、お茶農家さんが、気軽に自分たちのお茶をふるまう取り組みです。基本的には無料です!
みなさんお話し好きの方ばかりですので、おいしいお茶の入れ方、お茶に関するあれこれなど、いろいろ教えくれたりもします。
川根本町内で10軒ほどありますので、お気に入りの茶縁喫茶を探すのも楽しそうですね。
週末を中心に開縁していますが、お茶屋さんによって開縁日が異なりますので、事前確認をお願いします。

<お問い合わせ>
川根本町まちづくり観光協会 0547-59-2746

今回、「つちや農園」さんに伺いまして、お茶のことについて勉強させていただきました。
これから、お茶のシーズンですので、お茶摘み体験、製造工程の見学や、町内全ての茶縁喫茶に行って、茶縁喫茶の紹介ブログを書いてみようと思っています。


↓↓↓このブログ良かった!と思いましたら、押してください!

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック